2022年4月23日。北海道の知床でとんでもない事故が起きてしまった。
事故から約1週間。外出もしないで、このニュースに張り付いていたいほど、この事故の続報が気になっている。他人事とは思えないのだ。
北海道の道東にある知床半島・ウトロ
知床へは何度か行ったことがある。
冬の知床・ウトロ
北海道の牧場(別海町)にいた頃、高校で仲良かった子がウトロの旅館で働いていたため休日に車で訪問したことがある。

道東には、流氷が押し寄せてくる。北海道の冬は厳しいが、美しい。
人気はないことが多く、耳を澄ませば氷が鳴く音(流氷同士が擦れる音)だけが響き渡り、ときおりキタキツネがひょっこり現れたりしてくれる(^ω^)。
※綺麗だからと流氷の上に乗るのはNG。流氷は動くので万が一転倒して氷の中に落ちたらふさがってしまって上がってこれない為。
冬の間はお休みになると、野付半島、走古丹、納沙布岬など、いろんなところに行っては流氷を見たものだ。
日本一周中・ジムニーと知床へ
台風のように荒れた日があり、知床でジムニーのドアが180度持って行かれて部品が引きちぎられたのはよき思い出(涙笑)。
荒れた後に虹がかかって(これは羅臼側の写真)、
世界遺産に登録された初年度、日本最北東突端地・熊の穴さんで食事をしたら


こんな証明書を頂けた。
ウトロ側と羅臼側を間違って、ハードな羅臼側から羅臼岳を目指してしまったけれど、笑って話せるのは
熊さんに遭うことなく、無事に帰ってこれたからこそ。
バンバン200と知床へ
いくらにウニ、ホッケ、エゾシカバーガー。おいしいものもたくさんある。
季節によってはダートを自走して、カムイワッカの滝へ行くこともできる。

湧き出す温泉が川のように流れるのだが、現在入れるところは下の方だけなので水温は30度くらい。「温泉に入る」というにはちょっと冷たすぎるが、水着&ラッシュガード完備で入ってみた(やせ我慢)。こんな面白いところもあるということで(^ω^)。
羅臼側には、熊の湯という有名な無料で入れる温泉もある。地元の方が管理してくださっている。男女別で更衣室もあるありがたさ。こちらは基本的に熱め。
知床半島には、他にもセセキ温泉、相泊温泉といった海沿いにワイルドな温泉があるが、
風が強かったり満員御礼だったりで、相泊温泉での足湯しか経験がない。
晴れた日の知床峠はとってもきれいで
知床横断道路は北海道の中でも大好きな道の一つだ。
ま、現実にはあまり晴れたことはないんですけれども。

知床五湖のトレッキングも心が洗われる。
このような感じで知床エリアには何度か行っているけれども、未だ叶っていないことがある。
それが、「知床遊覧船に乗ること」
それまで興味がなかったので乗らなかったのだが、2014年の北海道ツーリングでいよいよ知床遊覧船に乗ろうと決めていたわたし。
ところが知床エリアの悪天候が続き、1日待っても2日待っても3日待っても欠航続き・・
乗りたかったのは「知床岬灯台」と「熊」を遠目からでも見てみたかったから。
調べてみると、小さい遊覧船の方が陸に近づけるということがわかったので、確かFOXさんの小型船の知床岬コースを予約していたと記憶している。
待って4日目。ようやく予約ができるような状態になり、お昼ごろ出発のクルーズに間に合うよう道東の多和平キャンプ場からウトロ港に向けて出発。
知床峠に近づくにつれ、ピーカンだった空は今にも泣き出しそうな雲に・・
出発まであと1時間という頃、観念してカッパを着込もうと停まった途端なりだした携帯電話。
クルーズ会社からで、「天候悪化のため、今日の運行は中止になりました」という連絡だった。
何日も待って、あと1時間で出発だったので、そのときは「残念・・!」としか思えなかったのだが、今回の知床観光船のように「行ける」という判断をされて
- 「ひさしぶりの運行だし、客が納得するところまで行って引き返そう」
- 「3時間のクルーズだけど半分行ったら多少なりともお金も回収できるし」
なんて思われていたとしたら、強引に出発していたかもしれない。でも、わたしが利用しようとしていた船会社はそうではなかった。今となっては本当にしっかりした判断をしてくださったんだなと心から思っている。
今回の知床遊覧船の事故には腹立たしさしかない
世界遺産知床、のブランド力。
知床観光船は知床観光の目玉でもある。
これから訪れようとしている方に不信感を与えてしまった、「知床」の名に傷をつけてしまった知床観光船の社長の罪は重い。
沈んでしまった観光船を引き上げるか否かということが話題にもなっているようだが、
「この下にKAZU1が沈んでいるんだな」と思いながら誰が今後知床遊覧船に乗りたいと思うだろうか。同業者の方はどんな想いで船を出港させればよいのか。
多額の費用が掛かるのもわかるし、あの社長が私財を投げうって本当に引き上げようとするかもわからない、こちらに費用をかけすぎて、残されたご家族にお金が支払われないのもどうかと思うが、どうにかして事故原因の究明とこれからの知床観光のためにも、行方不明の方がみなさん見つかってほしいし、観光船も引き上げることができたらと個人的には思っている。
コロナ禍で、観光業の方がここ数年どれだけ辛くて苦しい思いをしてきたかわからない。
GWのかきいれ時に運行を中止せざるを得なくなった同業者の方、風評被害でキャンセルを受けることになった方・・ただただコストカットするために安全をないがしろにした人のためにまじめにやってきた方まで巻き込まれるなんて不憫でならない。
知床には素敵なところがたくさんある。
いつものことだが、自分にできることを。近いうちに訪問することで応援したいと思っている。
全員が一日も早く見つかりますように。被害者のご家族が少しでも納得できる方向に物事が進みますように。
※この年の夏、5年ぶりに北海道へ向かった。そのときの知床のあたりの様子。