18年前の偶然と18年後の偶然

今日のお昼前、さて、郵便局に出かけるかと準備をしていたときに、わたしのiPhoneが鳴った。

表示された番号は「090」から始まる携帯の番号。名前は表示されなかった。

わたしは基本的に知らない番号の電話には出ない。

営業の電話と相場は決まっているからだ。出ても気分が悪くなることが多いので最近は出ることを止めてしまったのだ。

数年前に水没してしまったiPhone

わたしのiPhoneの電話帳は数年前からほぼ空っぽだ。

iPhoneをうっかり水没させてしまって、データがすべて飛んでしまったのだ。

そのときはクヨクヨしてしまったが、なくなってしまったら無くなってしまったで、案外すっきりするもので。親しい人はほぼLINEでつながっている、というのもあるが。

その前に、わたしはiPhoneを無音にしていることが多いので、「電話音が鳴った」ことに少しドキっとしてもいた。

・・・そんなわけで、番号を見つめること数秒。普段取らない電話になぜか今日は躊躇いながら出るわたしが居た。

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電話の向こうにはまさかの・・

「はい、もしもし?」と出ると

「こんにちは~!●●のTです」との声。

すぐにわかった。18年前に東北でお世話になったTさんだ。

「えええ~!!おひさしぶりです!!」

そう、18年前に、日本一周の旅をしていたときに、北海道の利尻島で出会った東北のTさんだったのだ。

Tさんとは利尻島のキャンプ場で出会った

3週間滞在した利尻島のキャンプ場。わたしはそこで管理人さんのお手伝いをしていた。

炊事場を掃除していたときに話しかけてくれたのが利尻山に登山に来られていたTさんご夫婦。数日滞在されていたので、お話する機会も多くて。

(当時?)出逢う自分の親世代の方にはなかなか理解されなかった長いこと旅をするということ

でもTさんご夫婦は違っていた。わたしの話に耳を傾けてくださって。

「東北に来たら電話ちょうだいね」

と連絡先を教えてくださったのだ。

想像以上に大きな街に戸惑って。どこだかわからなくて「ここのスーパーに居ます」というとお迎えに来てくれたっけ(^ω^)。

たった数日何回かお話しただけの、どこの馬の骨だかわからないわたしという人間を温かく迎えてくださって。本当にうれしかったなぁ。

あの頃の旅の話。今の仕事や趣味の話。

今何歳になったのかとか(笑)、そんなお話をとりとめもなく。

終活しててね。電話帳も整理していて。元気かなって思い出して。かけてみたの。お話できてよかった

お話もしっかりされているし、お身体も元気だそう。

だけど、電話を切るときTさんは「またね」って言った後、「またね、もおかしいね(電話の意味から「また」はないから)」と仰った。

わたしは「ではまた・・」って伝えて電話を切ったけど、Tさんが掛けてきてくれてすごくうれしかったし、でもお気持ちを考えたら

「いつまでもお元気で」

が正解だったのかなぁと。切った後、ずっと考えている。

18年前も確か思ったなぁ。「すごい偶然だなぁ」って。

「同じときに、東北から・四国から旅に出た人が偶然北海道の離島のキャンプ場で出逢う」

あれは正確にはいつだったか?と調べてみたら、干していた靴下に蝉が居て(笑)、

びっくりしたその翌日で、

キャンプ場で毛ガニを頂いて、お腹いっぱいカニ飯を食べれた、そんな日だったみたい(^ω^)。

まさか、18年後にもそんな奇跡が起こるなんて。

あのときと同じように「旅で経験したことは(あなたの)財産だから」と言ってくれた。

Tさんは今日で、携帯のデータがすっきりしたかもしれない。

スッカスカのわたしのiPhoneの電話帳には今日データが1件増えた。

電話に出れて本当によかった(^ω^)。

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