「今日どこに行くの?」
「どこに泊まるの?」
「明日はどこに行くの?」
ツーリング先で同じ旅人(ライダー)とよくかわす会話である。ただ、女性はあまりペラペラと自分の予定を言わない方がいい場合もあると思う。そんな話を今日は書いてみようと思う。
こんな話書くのもどうかなと思って、今までツーリング記にも書いていないことである。
とある観光地にて、夕方の話
夕日が沈む景色を見たくて、少し遅い時間ではあったが、わたしはバンバンを走らせた。キャンプ場から十数キロの距離だ。遠くない。
到着すると、有名な観光地なのに辺りは静まり返っていた。まだ明るいのに観光客は数組いるくらい。皆車に向かって歩いているところを、わたしは逆行して足早に歩いて行った。
誰もいない世界。
あまりに静かすぎる、ちょっとどきどきするくらいの景色が広がっていた。沈む夕日を見届けたら、急いでバンバンの元に戻った。すっかり辺りは薄暗くなっていた。何をしていたか忘れたのだが、もたもたしていると、ヘッドライトを付けた一台の車が近づいてきた。
え?何?
薄暗い中、誰もいない駐車場。間違いなくわたしをめがけて近づいてくる車が気味悪かった。
車から30代と思われる男性が出てきた。声をかけられた。写真を撮りながら車中泊の旅をしているらしい。
「どこに泊まるの?」「明日はどっちの方向に行くの?」
いろいろ訊かれた。わたしは気が気でなかった。刻一刻と闇が迫ってきている。バンバンと早くキャンプ場に帰りたい。
そんな風に思いながら、一方でこの人はわたしに声を掛けてきたんだろう?自分は車中泊をすると言っているのにわたしがどこに泊まるか何故そんな情報が必要なんだろう。と思っていた。
誰かと会話を楽しんでいるときにそんなことは思わないのだが、よっぽど登場から会話の流れから、不自然に思えたのだろう。途中から
「ああ、これってちゃんと答えちゃダメなやつだ」と気が付いた。
暗くなってきているので、と理由を言ってその場から立ち去った。どこに泊まるかの質問には、はっきりと答えることはしなかった。
翌日、移動をした
「明日どこに行くの」という質問には「〇〇です」と答えてしまっていた。
120キロも離れた場所だ。まさかいないよなぁ、と思いながらキョロキョロしていると昨日の男性が現れた。「俺も今来たところ」偶然だったと思うが、内心ぞっとした。
「今からどうするの?」
「〇〇というところで△△を食べようと思っています」
・・しまった。咄嗟に本当のことを言ってしまった(あほ)。
「それってうまいの?」
「初めて食べるのでわかんないですけど、有名だと思います」
「へ~、でも俺、さっき自分で作ってラーメン食っちゃったしな~」
え?
誘ってねーし(: ・`д・´)
「そうなんですね」
じゃ。と別れた。
辺りを観光した後、ご飯を食べに食堂に入った。こりゃおいしいわ~!もぐもぐ食べているとわたしの席の向かいに現れた男性。顔を上げると寒気がした。さっきの男性だった。
「来ちゃった」
ラーメン食ったんじゃねーのかよ(: ・`д・´)
相手が関西人であれば確実にツッコミを入れたかったところではあるが、傷ついてはいけないので、苦笑いをしておいたw。
知らん人とご飯とか、とんだ罰ゲーム・・食べるだけ食べて、さっさとお店を後にした。今後の予定は一切言わなかった。二度と会うことはなかった。
多分だが、きっとそんなに悪い人でもなかったのだと思う(そう信じたい)。
でも、会話でもなんでもそうだが、相手との距離の詰め方ってあると思うのだ。相手の受け止め方にもよるわけなので、自分(わたし)が好意を寄せていれば問題ないことも、そうでない人相手で距離感がわからない人だと、結構引いてしまうような事態になると思うのだ。相手に恐怖を与えることにも・・
疑いすぎたり警戒しすぎると楽しくないこともわかっているし、旅に出ると気持ちが昂るのもわかる。
けれども!特に一人で動いているときに、
- 行動パターンがまるわかりになるようなこと
- 特に宿泊する場所を特定できるようなもの
をSNSにはあげないほうがよいと思う。
先日、女性キャンパーのこんな衝撃的なツイートを見つけた
わたしはテントで過ごすときは内側から常に入口のファスナーのヒモどうしを結んだり、ロックをかけたりしている。
RT すごい衝撃なんやけど、テントで寝るとき(過ごすとき)内側からファスナーの紐を結んでおくとか鍵つけとくもんやと思ってた👀
— kaori T. ◢͟|⁴⁶@VanVan200 (@todoroki3cars) March 29, 2020
「衝撃的」というのは、勝手に女性のテントに入ってきた男性にもだし、勝手に入ってこれるような状態のテントにいた女性にも、ということだ。
テントに道具を使って入ってこられたらもうどうしようもないが・・何かあったときに、警察に電話をする時間や誰かに助けを求める時間をちょっとでも稼げるかもしれないから、というのが面倒くさくてもわたしがそんなことをしている理由。
また次の機会に楽しく旅ができるように、いつまでも旅を楽しいと思えるように、できることはやっている。でもそれって、誰に教えてもらってきたことでもないんやけどね(^ω^)。
それでは明日もよい旅を。